観光大国フランスがサイクルツーリズム環境整備を拡充 その成果に日本の観光業界も注目
サイクルイベントではありませんがフランスの情報です。
世界有数の観光大国フランス。国内総生産の 7,5%、人口6600万人のうち200万人が観光産業 に従事しているが、コロナ禍で最も深刻な影響 を受けた業種でもある。フランス国家は観光業 を復興させる決め手は「自転車」であるとした。
国土のいたるところに世界遺産があるフランス。 運河沿いのサイクリングコース ⑥V川e de Vierzon 最寄りの駅や宿泊施設からは、 サイクリングで行こうというのが、今回の復興策の目玉だ。
アフターコロナに向けて再スタートしたフランスの観光事業だが、フランス国 家は現在の社会の諸問題を認識させる機会とも捉え、これまでにない戦略を創 成している。
とりわけ持続可能性や責任といった問題に配慮することは、ますます観光人気の高まる観光目的地としてのフランスを、こうした問題に取り組 む観光地として位置づけるチャンスだとしている。
具体的には、環境負荷の低い交通手段を優先することを中心とする観光インフ ラの整備を挙げている。距離の短い国内航空路線を2022年3月までに廃止し、 鉄道に切り替える。
最寄り駅から観光ポイントまでは二酸化炭素排出量がほとんどない自転車利用をうながす。そのための整備はすでに国を挙げて行ってき たが、今後はさらに加速化させるという。
長距離サイクリングルートの整備もさらに進めていく。古城が点在するフラン ス中部のロワール川周辺には、総延長900kmのサイクリングコースがあるが、今後はさらに延伸。
簡単にレンタルできる自転車を置き、サイクリストフレン ドリーなホテルや飲食店、商業施設などがサポート。これらをアプリで連携して、海外からの旅行者が旅のツールとして自転車を気軽に利用できるようにする。
一般意見の「列車持ち込み」もすぐに採用、実現へ
フランスの観光事業者はヨーロッパ・外務省の支援を受けて、 「フランスにお ける責任ある観光」について、 -般市民からの意見を募った。
持続可能な交通 手段の開発と運用について、 「普通自転車、電動自転車、カーゴバイク、荷台 付き自転車などあらゆる種類の自転車を簡単に列車に持ち込めるようにする」 という意見を採用。
早急にそれを実現するようなルール整備を行っていくとい う。
スポーツジャーナリス ト:山口和幸